無言の笑顔のこいつの頭の中は、こんなに高速回転している。

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【お題小説】即興アプリ使ってみた。

 ランダムお題で、即興小説を時間内に書くというアプリを使ってみた。

 携帯でポチポチするのが、しんどかったー。

 30分。お題・最弱の悪人


ゴミ箱の中で酢豚の香りをかぎながら。 
 遠くのサイレンの音と、沢山の野次馬のざわつきがここまで聞こえてくる。
 そんな中俺は、体育座りで暗い場所に座り込んでいた。

「くっそー、なんで上手くいかないんだ」

 借金取りに追われてウン10年、いい加減借金の事を考えながら生活するのが嫌になった俺は今、路地裏のゴミ箱の中に身を隠している。
 生ゴミの悪臭に耐えながら……。
「このゴミ箱、中華料理店のだな」
 さっきから鼻につくのが、自分の好物の酢豚のような匂いであるのが、この失敗のガッカリ感をさらに上げるようなあげないような気になる。

 ここ数日、なんとか一気に金を手に入れる方法はないかと様々なことに手を出してみた。
 宝くじもダメだった。ギャンブルもダメだ。
 高い貴金属でも万引きして、換金してやろうかと、宝石店にも足を運んだ。結局、手を出すことは出来なかったが。
「俺、悪人向いてないのか」
 はあぁぁぁ。と大きなため息をついた時。

 離れたところから、ダッダッダと、大勢が駆けてくる音が近づいてきた。
 俺は、駆け足が通り過ぎるのを、息を潜めて待つしかできない。
 足音が通り過ぎると。

「くそっ、どうする?」
 俺は、先ほど意を決して、コンビニに押し込み強盗を試みたんだった。
 結局、何も取らずに逃げてきて、このザマだが。
 どう逃げようかと、思案していると、頭上のゴミ箱の蓋がガタガタと動いた。
「万事休すか」
 俺は覚悟を決めて、上を見上げだ。
「ナー……」
「なんだ猫か」
 猫の耳を撫でると、その猫は気持ちよさそうに目を細めた。
 俺がポケットにあったスルメをやると、猫は礼をするようにひと鳴きしてから、それをくわえて去っていった。

 俺、ほんと悪いことするの向いてないのな。
 もし、世の中に悪人ランキングがあるならば、俺は最弱なんだろうな。

 行動力も、思考能力もな。
 俺は呟くと、ゴミ箱から頭を出し、大きく伸びをしてから、コンビニ前の喧騒に向かって歩き出した。 

 
 一話を完結させるって大事だよねぇ。(言い訳がましい)
 
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