無言の笑顔のこいつの頭の中は、こんなに高速回転している。

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【お題小説】ルポライター倉永みゆ

 ランダムお題で、即興小説を時間内に書くというアプリを使って…今回も携帯でポチポチ。

 お題をランダムにしたら、必須要素が出やがって、難易度アップした、気がするw

 

題:素朴な潮風 必須要素:十字 制限時間:30分 文字数:722字

 

 

「倉永三弓(くらながみゆ)。自称ルポライター。ただ今、山口県の国道沿いをマイカーで爆走中。早く自称が外れたルポライターになりたいなぁ、あ、ここはオフレコで」
 三弓の乗った、10年は経っているあろうシルバーの軽自動車に、初夏の日光があたり、メタリックな車体に十字の形の光が広がる。
「あ、爆走と言っても、ブンブンいわしているわけではない。そんなことしたら、警察に捕まるし? んー……どうしても自分都合なルポが出ちゃうなあ」

 三弓は呟くと、ICレコーダーの電源をOFFにした。
 後続車からの大きなクラクション。
 国道なのに、1車線しかない海沿いの道を、古びた軽自動車で走っているのだ。
 ちょっとヤンチャな運転手が、海に遊びに行こうとしているところで、自分の前をちんたら走ってる軽自動車にイラつくのは解らないでもない。
 ちんたらしてんじゃねーよっていうオーラがすこぶる出している、イカツイ黒い車。
 三弓は、海岸に突き出たガードレールに車をギリギリに寄せ、後続車に道を譲る。

 この間桜が咲いていたと思ったら、あっというまに汗ばむ気候になってしまう。日本のこの時期の気候は、女性の機嫌と同じほど、くるくると変わる。
 今日は、暖かくなってきた空気をルポろうと、海岸沿いにある、とある場所を目指している。
 そこは、それなりの観光地と化していたのだが、先日そこで、世間を賑わす事件が起こり、今は観光客が激減しているという。

「現場に到着。話に聞いてるとおり、観光客の姿はまばらだ」
 普段なら、潮風に乗って、観光客たちの様々な香りが漂っているのだろうが、今はそれがない。
 三弓は、素朴な潮風にあたりながら、現地ルポを始めるのだった。

 


 誤字修正がまにあわなかった……_| ̄|○

×ちんたらしてんじゃねーよっていうオーラ『が』すこぶる出している、イカツイ黒い車。

 ちんたらしてんじゃねーよっていうオーラ『を』すこぶる出している、イカツイ黒い車。

 
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